ドリームプロジェクト
「ドリームプロジェクト? 何すかそれ?」
「簡単に言うと、みんなでお金を出し合って年末サマーを買って」
「年末ジャンボです」
「そう、そのジャンボを買って、一億二千万当ててみんなで幸せになろうというプロジェクト」
「そんな夢のような」
「だから、ドリームプロクジュトなの」
「はい、質問」
「何かな」
「これはコンピュータクラブの活動と関係あるんでしょうか」
「ありません」
「……」
「ちゅーことで、一口300円ね。なお、二口分払った人には参加者名簿に『様』をつけてあげます」
「いりませんよ、そんなもん」
「で、いくら集まったんですか?」
「おう、がんばったで集めたぞ。23口6600円」
「計算が合わないんですが……」
「俺もそう思う。でも確かにこうなっとる。くそー、誰か払うふりして払いやがらんかったな」
「失礼ですけど、先輩はお金いれました?」
「お前、俺を馬鹿にしてるやろ。見せ金としてちゃんと払ったわい」
「なるほど」
「まあ、いいか。一億二千万円当たれば誤差や」
「にしても、枚数が中途半端ですね」
「宝くじ屋で『連番10枚、バラ12枚』って言ったら嫌な顔されたぞ」
「発表はいつですか?」
「12月31日。しかし、良く考えたらなあ。宝くじって連番で買うより、バラで買う方が得やね」
「??」
「つまり、連番で買えば一億二千万しか当たらんけど、バラで買えば六千万が三本で、一億八千万当たる可能性があるわけだ」
「確率論無視してるような……。で、そういう話はさておいて、今日の部活は何やるんです?」
「任せなさい。ズバリ、『一億二千万当たったら何を買うか』だ」
「そんなんばっかし」
「取りあえず、狭くて安いこの部室とはおさらばして、大学の近くに4LDKぐらいのマンションでも借りるか」
「一戸建てなら騒いでもオッケーですね」
「それから、マシンとしてはX68030を買うだろ、TOWNSのMAだろ、486PROを買ってだなあ」
「一応、各メーカーの機種を揃えると」
「更にAT互換機Vと、Sparcも何台か買ってネットワークを組もう」
「グラフィックワークステーションも欲しいですね。インディとか」
「そんな安物はいらん! インディゴを買って、リッジレーサーを移植しよう」
「おー、パチパチパチ」
「ああ、夢が広がるなあ。まさにドリームプロジェクト」
「あ、先輩、明けましておめでとうございます。どうなりました、ドリームプロジェクト?」
「……」
「先輩?」
「……ろっぴゃくえん」
「やっぱり夢は夢のまま終わってしまいましたね」
「しくしく」
SUMIKAWA Munechika / Daydreamers On the Net